パワーローが示すもの
ビットコインの日足終値を時間に対してプロットすると、爆発的に上昇しているように見える曲線になります。価格を対数スケールにすると曲線はなだらかになりますが、まだ曲がっています。さらに、ビットコインのジェネシスブロックからの日数で数えた時間も対数スケールにすると、驚くべきことが起こります。長期的な道筋がほぼ直線になるのです。
両対数チャート上の直線はパワーロー(べき乗則)です。価格はおおむね日数の一定のべき乗に比例して上昇し、当サイトの当てはめではその指数は6をわずかに下回ります。この種の成長は、率で見ると時間とともに鈍化します。これはビットコインの実際の動きと一致しており、各サイクルの上昇率は前のサイクルより小さくなってきました。
BTC価格99%分位点95%分位点中央値(50%)5%分位点1%分位点
1本の線からバンドへ
当てはめた1本の線は、中心を示すにすぎません。パワーローで役に立つのは、その周りの散らばりです。しかも、その散らばりは上下対称ではありません。ビットコインはトレンドを大きく上回る短い期間と、下回る長い期間を過ごしてきました。また、各サイクルの高値がトレンドを上回る幅は、前のサイクルより小さくなっています。
そこで当サイトのチャートでは分位点回帰を使っています。最もよく当てはまる1本の線の代わりに、1%〜99%の各水準ごとに別々の直線(両対数スケール上)を当てはめています。たとえば5%の線は、トレンドを考慮したうえで、過去の終値の5%がその下に来るように引いた線です。線ごとに傾きが異なるため、バンドは時間とともに狭まることがあり、実際に上側では狭まってきました。
見方
本ページ上部の分位ポジションは、バンドを0〜100の1つの数値に集約したもので、今日の価格が最も近い2本の線の間のどこにあるかを示します。
- 5未満:ビットコインがこれまで推移してきた範囲の下限付近。トレンドに対してこれより割安だった日は、これまでほとんどありません。
- 5〜25:トレンドより下。
- 25〜75:トレンド付近。価格はおよそ半分の日をこの範囲で過ごしてきました。
- 75〜95:トレンドより上。
- 95以上:過去の範囲の上限付近。短期間にとどまり、サイクルのピークに典型的な水準です。
下の表では各ゾーンの日数と最後に現れた時期を集計し、サイクル別の表では半減期と半減期の間の最高・最低ポジションを示しています。今のサイクルを過去のサイクルと比べられます。
| ゾーン | 範囲 | 日数 | 割合 | 最後の該当日 |
|---|---|---|---|---|
| 過去の下限付近 | 5未満 | 460 | 7.7% | 2026年10月24日 |
| トレンドより下 | 5〜25 | 1,221 | 20.5% | 2026年10月6日 |
| トレンド付近 | 25〜75 | 2,851 | 48.0% | 2026年1月28日 |
| トレンドより上 | 75〜95 | 1,129 | 19.0% | 2025年8月13日 |
| 過去の上限付近 | 95以上 | 283 | 4.8% | 2021年11月15日 |
| 半減期サイクル | 最高ポジション | 最低ポジション |
|---|---|---|
| 2010年7月17日 – 2012年11月27日 | 97.6 2011年6月8日 | 0.0 2010年9月30日 |
| 2012年11月28日 – 2016年7月8日 | 100.0 2013年11月26日 | 1.6 2015年9月21日 |
| 2016年7月9日 – 2020年5月10日 | 100.0 2017年12月7日 | 1.9 2020年3月12日 |
| 2020年5月11日 – 2024年4月19日 | 100.0 2021年3月13日 | 0.2 2022年11月21日 |
| 2024年4月20日〜現在 | 80.7 2024年12月16日 | 0.0 2026年6月24日 |
- 2024年に公表された係数による1本のパワーロー線では、2026年10月23日の値は$158,563で、同日の終値は$81,096でした。
チャートを読みやすくするコツが2つあります。1つ目は、価格を中央値(50%)の線と比べることです。上部の現在値にもドル建てで表示しているこの線が、トレンドそのものです。2つ目は、上側の線の傾きが下側の線に比べて緩やかになっている点に注目することです。市場が成長するにつれて行き過ぎは小さくなっており、今のポジション80は、以前のサイクルのポジション95と同程度の過熱を表している可能性があります。
算出方法
CryptoKeyholeはバンドを独自に当てはめて公開しています。
- 価格。2010年7月17日以降のビットコインの日足終値の独自記録です。2026年10月2日まではCC BY 4.0ライセンスで公開されている過去の日次データセット、それ以降はUTCの日付の変わり目ごとに当サイトが記録した価格です。1時間ごとの値には、各時間の終値を使います。
- 時間。ジェネシスブロックの日を1日目として数えた2009年1月3日からの日数で、各期間の終了時点で測ります。
- 当てはめ。各分位水準qについて、線より上の終値には重みq、下の終値には重み1 − qを掛けた絶対距離の合計を最小にする直線「log10(価格) = a + b × log10(日数)」を求めます。現在の係数は、2010年7月17日から2025年12月31日までの5,647日分の日足終値に当てはめたものです。
- ポジション。各時点で1%〜99%の99本の線を順に並べ、最も近い2本の線の間での価格の位置を線形補間します。最も外側の線を超える場合は同じ間隔で延長し、0〜100の範囲に収めます。
係数は毎年、12月31日の終値が公表された時点で当てはめ直し、その係数で全期間を描き直します。そのため、当てはめ期間の終了より前のポジションには、後から付いた価格も使われています。これは後知恵で見たトレンドに対する価格の位置であり、当時誰かが測定できた値ではありません。
知っておきたい限界
- 過去への当てはめ。過去に当てはめたモデルが表すのは過去です。線がまっすぐなのは経験的な規則性であって自然法則ではなく、崩れる可能性もあります。
- 後知恵。当てはめには後の価格も含まれるため、過去のポジションはリアルタイムで測った場合よりもきれいに見えます。
- 対数スケールは差を圧縮する。チャート上のわずかな距離が、ドル建てでは大きな値動きであることもあります。上部の現在値には、中央値の線までのドル建ての距離を表示しています。
- 価格のみ。バンドにはオンチェーンデータを一切使っていません。当てはめたトレンドの代わりに移動平均を使うメイヤー・マルチプル(Mayer Multiple)や、200週移動平均線と比べてみてください。
ライブツール:ビットコインのパワーローチャートでは、誕生からの経過日数に対する価格を両対数軸で描き、今日のポジションと今後の日付での当てはめ線の値を確認できます。レインボーチャートもあります。

よくある質問
ビットコインのパワーロー(べき乗則)とは?
ビットコインの価格をジェネシスブロックからの日数に対して両軸とも対数スケールでプロットすると、直線に近い状態を保ってきたという観察結果です。両対数チャート上の直線がパワーローで、価格は時間の一定のべき乗に比例して上昇します。
分位ポジションの意味は?
当てはめた99本の線の中で、今日の価格がどこにあるかを示すものです。線は1%の線(トレンドに対して過去の終値の1%しかその下になかった線)から99%の線まであります。ポジション10は、価格がトレンドに対して、当てはめ期間で最も割安だった10%の日と同程度に低いことを意味します。90なら、最も割高だった10%の日と同程度に高いことを意味します。
パワーローは価格予測?
いいえ。これらの線が示すのは、価格自身の履歴に当てはめたトレンドに対して、価格がこれまでどこにあったかです。線を将来へ延長するには、その関係が続くと仮定する必要がありますが、それを保証するものは何もありません。当サイトでは将来の予測線は描いていません。
バンドはどのくらいの頻度で当てはめ直される?
年に1回、12月31日の終値が公表された時点です。その後、新しい係数で全期間を描き直すため、当てはめ直しのたびに過去のポジションがわずかに変わることがあります。
2024年のパワーローモデルとは?
2024年に公表された係数を使った1本のパワーロー線で、当サイトでも比較用にチャートを掲載しています。当サイトの分位バンドと違って係数は固定で、当てはめ直しは行いません。本ページの推移のセクションで、その値と最新の終値を比較しています。
このページの数値は、公開されているチェーンデータと収集した市場データからCryptoKeyholeが算出し、1時間ごとに更新しています。各数値の算出方法とデータソースはチャートのリンク先に記載しています。本ページの内容は投資助言や予測ではありません。